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Podcast: アワノトモキの「読書の時間」
Episode: ep12-2「街場の教育論」(内田樹さん)
Description: 今回も引き続き、「街場の教育論」(内田樹さん)を見ていきます。
今回のキーワードは3つ。
・教養教育と専門教育
・学びとは
・自分らしさが引き起こす家族の解体と働くことのモジュール化
まずは一つ目の「教養教育と専門教育」について。
東洋にもリベラルアーツがあった。
六芸(りくげい)というものを孔子が定めた。
「礼・楽・射・御・書・数」
礼とは、この世のものではない者とのコミュニケーション。
楽は音楽。特に、時の流れを感じさせるものとして。
射は弓矢。つまり武の鍛錬。そして御は馬術のこと。
射は、精神統一、自分の体とのコミュニケーションが大切になる。
御では、人間以外とのコミュニケーションが求められる。
ココまで見てくると、孔子が言いたいことが見えてくる。
今の自分がいる環境の言葉や価値観だけでは通じない者とのコミュニケーションを訓練することが大切。
そしてそれを学び訓練することが教養教育だ、と伝えている。
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孔子の英語の読み方が「Confucius」であることについて、「confusion(混乱)」との関連性を言及しましたが、どうやら考えすぎだった様です。
孔子ではなく、孔夫子の中国語読みに対しての英語なりの当て字、と言うのが正解の様でした。
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それに対して、専門教育とは、「内輪のパーティ」だと。
その中では根本的な質問はしてはいけない。
前提となる知識や定義については、改めて取沙汰しないもの。
ただし、専門家になりたければ他の領域の人と対話できる必要がある。
そこで、自分以外の他者とのコミュニケーションを訓練する教養教育が求められることになる。
二つ目の「学びとは」について。
学びとは「上に離脱すること、つまり離陸すること」だと内田さんは定義する。
必要なスタンスとしては「自分以外の世界にある叡智を認めること」。
すると、世界に対して自分の知識の不足を焦ることになる。
これが学びのスタート。
メンターがいて、自分が想像もしていなかった世界に引き上げられる、巻き込まれることが必要。
村上春樹さんの「ダンスダンスダンス」の中で羊男と僕の関係は、まさしくメンターと学習者の姿なのではないか。
そして三つ目「自分らしさが引き起こす家族の解体と働くことのモジュール化」について。
家族の解体について、消費活動の視点から解説していく。
1980年代以降、自分らしさは消費活動でしか表現できなくなった。
それ以前は、消費は家族単位で決めることで、消費には家族の合意形成が必要だった。
すると経済が急激には伸びていかない。
そこで「自分らしく生きるキャンペーン」が生まれた。
家族を解体し、好きなところに一人で住み、家族での合意形成を必要とせず、一人単位で物を買ってジャンジャン消費してください、と。
家族でいることの安定よりも、消費に対して自由な個人でいることを選ばされた結果として、貧困な個人が生まれてきてしまったのが今なのではないか。
同じように、仕事に関しても自分らしさを過度に発揮しようとした結果、働くことがモジュール化されてきた。
全体の中での歯車としての役割を過度に回避し、クリエイティブでパーソナルな仕事をして、自分のタグをつけたくなってきている。
結果として、他者と協働することなく自分の殻の中に閉じていってしまう。
これが、自分らしさキャンペーンの影響によるものなのではないか。
ここに関連する話として、第5回目に扱った「あいだの思想」がある。
そこで話されていた誤解として「3つからの自由」が挙げられていた。
「時間からの自由」、「場所からの自由」、「関係性からの自由」を求めてしまっていないか。
まさしく今回語られている「自分らしさ」は、この3つからの自由と重なる部分が多い。
高橋源一郎さんは「いろんな関係性の間に、多様な自分を発見することが重要」だと言っていたが、その視点が欠けているのかもしれない。
最後、余談として苫野一徳さんの「こどものころから哲学者」の内容について少し触れています。
その中で竹田青嗣さんの話が出てきますが、この方も苫野さんにとってのメンターだったのだろうな、と思った次第。
<補足のお知らせ>
実は先日、星野も共著でkindle出版してみました。
「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」
よろしければ、読んでみてください!
そうそう。
話の流れで、粟野さんも本を書くことになりました。
皆様も、楽しみにお待ちいただければと思います。
ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、こちらまでDMをお寄せください。
https://twitter.com/Tomoki_Awano